第129章

真琴の指がきゅっと締まり、絵里奈の顎を容赦なく挟み込む。

「言え」

顔を寄せられた瞬間、圧が胸を押し潰し、絵里奈は息が詰まりそうになった。

「病院に行ったのか? 具合が悪いのか?」

――もし自分が病気なら、彼の世話はできない。

――もし自分が病気なら、役立たずになる。

絵里奈の瞳孔が、びくりと縮む。

怖い。

もし真琴が、世話をさせてくれなくなったら。

もし庭園の再建を止められたら――。

お姉ちゃんの遺した願いを叶えられない。祖父母が残してくれた最後のものまで、全部失ってしまう。

だめ。絶対にだめ。

それはもう、彼女の唯一の拠り所だった。

「……違う……」

顎に走る...

ログインして続きを読む