第13章

絵里奈が狩野邸へ戻ったころには、もう外はすっかり闇に沈んでいた。

彼女はすぐには中へ入らず、縫ったばかりの右腕を庇いながら、母屋の脇へと回った。

そこは生活ごみをまとめて捨てる場所だった。

庭灯りのぼんやりした明かりに照らされて、ゴミ箱の脇に、ぐしゃりと潰れた金庫が見えた。

絵里奈はふらふらと歩み寄り、そこで膝から崩れ落ちるように、湿った芝生へ跪いた。

無事な左手を伸ばし、震える指先で、あたりに散らばったものをひとつずつ掻き集めていく。

半分だけ燃え残った便箋。祖母が十八歳の誕生日にくれた手紙だった。

泥の中に踏みつけられた古いブローチ。石はもう、ひとつ残らず失われている。

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