第131章

喜びが、一瞬で絵里奈の理性を吹き飛ばした。

庭園が守れた――!

工事を止めなくていい――!

「ありがとう……ありがとう、真琴」

絵里奈は興奮で言葉がうまく繋がらない。血の気のなかった頬に、熱に浮かされたような赤みが差す。

「ちゃんと造る……お姉ちゃんも、きっと喜ぶ……」

「礼を言うのは早い」

真琴が冷たく遮った。灰皿へ煙草の灰を落とし、口角だけを吊り上げる。その笑みは、優しさとは真逆の形をしていた。

「絵里奈。俺は損する取引はしない」

「その庭園を残したいなら、代償を払え」

絵里奈は一瞬きょとんとして、すぐに狂ったように頷いた。

「払う! 何でもする、欲しいもの全部あげ...

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