第135章

三日後、N市。

「国際ジュエリーデザイン・トップカップ」準決勝の会場。

展示ホールは数十の独立ブースに区切られ、フラッシュが瞬き、カメラが四方に据えられている。世界へ向けた生中継――デザイン界の祭典、その真っただ中だ。

絵里奈は、会場の隅にある48番ブースの作業卓に座っていた。

今日の服装は、シンプルな黒のタートルネック。薄化粧で、血の気のない顔色だけを丁寧に隠している。

黒い杖は、机の下にそっとしまった。

筆を握るときだけ、麻痺した瞳の奥に、かすかな灯が宿る。

佳奈の夢。必ず叶えなければならない、お姉ちゃんの願い。

「……絶対、決勝へ」

絵里奈は深く息を吸い、緊張で震える...

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