第138章

屋敷は再び、死んだような静けさに沈んだ。テーブルの上で湯気を立てる二皿だけが、そこに「今」を残している。

絵里奈は、その場に縫い止められたまま動けなかった。

ただ真琴の世話をしたかっただけだ。ちゃんと、姉の遺した願いを果たしたかっただけだ。なのに真琴は、さっきよりもずっと苛立っている。

――どうして、こんなことすらできないの。

「……できなかった……」

誰にともなく、空気へ落とす。

「お姉ちゃん、私……役に立たない」

「どうしたら真琴が喜ぶの……わからない……」

「私、役に立たない……」

目の前に、佳奈の失望した顔が浮かぶ気がした。

「ごめんなさい……」

絵里奈は頭を抱...

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