第144章

監視室の中で、真琴は血走った目でモニターを睨みつけていた。

映像の中では、絵里奈が書斎の絨毯に身を縮め、絶望と哀れさをそのまま形にしたようにうずくまっている。あの姿勢のまま、もう五時間。指先ひとつ動かない。

――苛つく。

真琴が見たかったのは、反抗だった。喚き声だった。あるいは、あの男のために膝をついて命乞いする、みっともない姿だった。

それなのに今の絵里奈は、死体みたいに転がっているだけ。

あの男の生き死にが、そこまで大事か。

「通信制限を解除しろ」

手にしていた葉巻の残りを指で揉み消し、掠れた声で命じる。

背後に立つ小野彰が一瞬だけ動きを止め、すぐに視線を落とした。

「...

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