第148章

暗闇の中、真琴の熱を帯びた大きな手が、絵里奈の腰を抱き寄せた。

「もう大丈夫だ」

腕の中の身体が、抑えようもなく激しく震えているのがわかる。意志では止められない、そんな震えだった。

いつもなら、嫌悪と一緒にベッドから蹴り落としていたはずだ。

どうせ何か後ろめたいことでもして、悪夢でも見たんだろう――そう嘲って。

けれど今夜は、掌が勝手に彼女の背へ回った。

とん、とん。

ぎこちなく硬い動き。それでも、慰めるためのリズムだけは確かにあった。

「夢だ。……ただの」

真琴は顎を彼女の頭頂に預ける。ふわりと鼻をくすぐる、薄いボディソープの匂い。

胸の奥で暴れていた苛立ちが、あり得な...

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