第150章

B市の別邸。

書斎のノートパソコンには、邸の主寝室を映す監視映像がリアルタイムで流れていた。

真琴は椅子の背にもたれ、画面の中で犬みたいに引きずり出される智哉を眺めながら、口の端を嘲るように吊り上げる。

「バカ」

帰ってくるに決まっている。

小野彰が航空券の手配情報を掴んだ瞬間から、罠は完成していた。

わざわざ絵里奈を連れて狩野邸を離れ、このB市の別邸へ移った。

監視も警備も薄い場所を選んだのは、あいつらに「隙」を見せるためだ。

自分から首を差し出すように、罠へ踏み込ませるために。

……まさか、本当に来るとは。

滑稽すぎて笑える。

「社長、あの男、逃げました。追いますか...

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