第19章

ヘリのローターが耳をつんざくような轟音を撒き散らし、機内は息が詰まるほど気圧が低かった。

真琴は中島医師から届いた緊急メールを受け取り、手の中のタブレットを食い入るように見つめていた。

「右腕の刀創は腱にまで達しており、縫合部は激しい動きで再び裂開。重度の感染を併発」

「全身に多発する軟部組織挫傷。II度熱傷は未治癒」

「重度アレルギーによるアナフィラキシーショックの前駆症状。長期の栄養失調と高度の貧血を伴う」

その文字列が目に突き刺さり、そのまま心臓まで抉ってくる。

呼吸が荒くなる。胸の奥で渦巻くのは、これまで味わったことのない恐慌だった。怒りよりもなお恐ろしく、ただ、痛いほど...

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