第47章

絵里奈はこわばった指を、ぎこちなくほどいた。

その刹那、病室の扉が乱暴に押し開けられる。

重い足音。男が怒りを押し殺したまま吐き出す、荒い息づかいが迫ってきた。

「瑠璃!」

真琴の姿がバルコニーの出入口に現れる。

そして彼は、一目で――背筋が凍る光景を理解した。

欄干のそばに立つ絵里奈は獰猛な目をしていて、瑠璃は欄干にもたれたまま、今にも崩れ落ちそうに青ざめている。首元には、はっきりと赤い指の跡。次の瞬間、風にさらわれて落ちてしまいそうなほどの儚さ。

「助けて……真琴……」

瑠璃は瞬時に目を潤ませ、声を震わせた。身体がふにゃりと沈み、ずるずると滑り落ちるように。

「妹が……...

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