第65章

三日間――絵里奈は、世界から丸ごと忘れ去られたみたいだった。

林田先生が時間どおりにやって来て、包帯を替え、注射を打つ。それ以外に、この寝室へ足を踏み入れる者はいない。

あれほど自分を憎んでいる男でさえ、姿を見せなかった。

世界でいちばん高価な薬が、かろうじて彼女の身体を動かしている。

折れた肋骨も脚の骨も固定し直され、高熱も引いた。

それでも――その目だけは、死人と変わらないままだった。

枕元に置かれたスマホが、突然ぶるぶると震えるまでは。

このスマホは、林田先生が「このまま部屋で死なれても誰も気づかない」と言って、置いていったものだ。

画面に表示されたのは見覚えのない名前...

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