第67章

「目ぇ覚めた?」

瑠璃は視線に気づいたらしい。怯えるどころか、男の膝の上からゆっくり立ち上がると、スカートの裾を整え、ヒールの音を響かせて絵里奈の前まで歩いてきた。

「いい目してるじゃない」

瑠璃は腰を折り、指先で絵里奈の折れた脚のギプスをぐっと突いた。

「私を殺したい? それとも真琴にチクる?」

「ん゛――っ」

痛みで全身に冷や汗が噴き出す。口はガムテープで塞がれていて、怒りのうなり声しか漏れない。

「ムダムダ」

瑠璃は得意げに笑った。

「ここじゃ秘密を守れるのは死人だけ。でも、死ぬ前にもうちょっと役に立ってもらうわ」

くるりと背を向け、淳史と呼ばれた男へ手をひらひら振...

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