第81章

翌朝。

瑠璃はわざと目を真っ赤にし、首元をスカーフで隠した。羞恥と悔しさに耐えきれない、とでも言いたげな顔を作り、真琴の部屋から慌てて飛び出してくる。

待ち構えていたホテルのロビーのパパラッチが、間髪入れずに群がった。

カシャ、カシャカシャ――シャッター音が一斉に弾ける。

一時間も経たないうちに、意地の悪い角度で撮られた数枚の写真と、「唐沢瑠璃、狩野社長のスイートに宿泊」の見出しが、各メディアのトップを飾った。

N市じゅうが、その話題でもちきりになる。

病院で生死さえ定かでない本妻は笑いものにされ、瑠璃は当然のように、真琴の本命だと決めつけられた。

……

その夜。狩野グループ...

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