第99章

午前3時。集中治療室エリアの廊下。

瑠璃は白いフラットシューズで音も立てず、絵里奈の病室の扉を押し開けた。

室内にある音は、生命モニターの単調な電子音だけ。

ベッドの上で、絵里奈は酸素マスクをつけたまま、血の気のない顔で横たわっている。息をしているだけで精一杯――そんな弱々しさだった。

宝飾のデザイン画を描いてきたはずの手は、今は力なくベッドの縁から垂れている。点滴の針穴と、紫に滲んだ痣だらけ。

「……ほんと、醜い」

瑠璃はベッドサイドまで歩み寄り、二十年も嫉妬し続けたその顔を、見下ろすように値踏みした。

どうせ死ぬなら、さっさと終わらせればいいのに。

冬月家の娘は、姉も妹も...

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