第105章 ふさわしくない

食事を終えると、伊原綾音は部屋に戻り、杏ちゃんの様子を見に行った。

澄川琉生は千成からの電話を受け、用事で少し外へ出ることになった。出かける前に綾音の部屋へ立ち寄る。杏ちゃんが体調を崩しているため、夜中でも容体の変化を見られるよう、今夜は綾音の部屋で寝ることにしていたのだ。

部屋に入ったとき、綾音はちょうど服を持って浴室へ向かおうとしていた。

「子どもは大丈夫か?」

琉生はベッドのそばまで行き、眠り込んでいる杏ちゃんを見下ろす。

思わず視線が長く留まった。白く柔らかな頬が、いつもより濃い赤みを帯びている。熱のせいだろう。それでも、目を離しがたいほど愛らしい。

そっと手を伸ばし、額...

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