第128章 意味深い

デザイン部で起きた騒ぎは、情報が上がるや否や成井正彦の耳にも入った。ちょうどその頃、澄川琉生は社長室で営業部長から報告を受けていた。

成井正彦は、澄川琉生にとって伊原綾音がどういう存在かをよく分かっている。だから迷うことなく社長室の扉を開けた。

「澄川社長」

呼ばれて、澄川琉生が視線を上げる。

成井正彦は要点だけを告げた。

「デザイン部の連中が揉めてます」

何が起きたか、詳しく聞かなくてもだいたい察しがつく。昨日釘を刺したばかりの野口征宇が、今日も懲りずにやらかしたのだろう。

だが、伊原綾音は仕事に口を出されるのを嫌う。澄川琉生は短く言い捨てた。

「人事に回せ。雇ってるのは仕...

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