第138章 連絡先

傍らの小林梅子はまぶたがぴくぴくと痙攣していた。伊原綾音が突然現れたのは、自分を狙ってのことじゃないか――そんな予感が拭えず、顔を上げることすらできない。

伊原綾音は気さくに数人と言葉を交わすと、そのまま何球か打ってみせた。以前やったことがあるらしく、フォームも安定している。小気味よく飛んでいくボールに、周りから「おおっ」と歓声が上がった。

けれど彼女はそれ以上、わざとらしく目立とうとはしない。ふっと視線を切り替え、小林梅子が最近つかまえた男のほうへ向き直る。二言三言、軽く会話を交わしたあと――その目が小林梅子をなぞった。

「小林さん。やっぱりあなたでした。さっきから、見間違いかなって...

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