第141章 治療

「……あの子は体質が普通と違う。専属の医者がいるから、川上さんが来てから判断しよう」

川上さん――前に来た医師のことだ。伊原綾音にはすぐ分かった。

澄川奏斗の体がどう普通じゃないのか、綾音は深く聞かなかった。今はそんな気分でもない。

川上さんはすぐに到着した。ひと通り診察し、普段の生活についても確認する。精神的な焦りが引き金になっている可能性を掴んだのか、川上さんの目に迷いはなかった。

「澄川奏斗くんは、持病の再発です」

その言葉が落ちた瞬間、澄川琉生の顔色が一気に硬くなる。

川上さんは立ち上がり、器具を片づけながら言った。

「ここには治療用の設備がありません。戻りましょう」

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