第160章 願いが当たってほしい

「ちょっと聞いてみただけだ。あの子、可愛げがあってな」澄川のおじい様が言った。

澄川琉生には、その声色に滲む好意がはっきりわかった。普段のおじい様は誰に対しても厳しい。例外は澄川奏斗だけ――そして今は、杏ちゃんにも同じ匂いがある。

「じゃあ、奏斗と同じように見てやってください。ひ孫娘として」

おじい様も本音ではそうしたい。だが、確認しておくべきことがあった。あの子の父親は誰なのか。

「それなら、父親が誰かくらいは知っておかんとな?」

核心を突かれ、琉生は伊原綾音の身に起きたことを口にしたくなかった。さらりと流す。

「両親が誰だろうと、気に入ったなら、おじい様が育てればいい」

「...

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