第162章 酒を届ける

江見瑠璃の誕生日会は、大きな円卓だった。十数人が集まり、来ているのは瑠璃と仲のいい友人ばかり。

伊原綾音と面識のある人もいれば、そうでもない人もいる。福田黎は「気心が知れている」側の人間で、だから綾音は彼の隣に座った。結果的に、江見瑠璃の隣でもある。瑠璃は、綾音が遅れてきたことが相当気に入らないらしい。

席に着くなり、瑠璃が耳元へ身を寄せて囁いた。

「今夜、遅刻だよ?」

「ごめん。今日が瑠璃の誕生日って忘れててさ。来る前にプレゼント思い出して、買いに戻ったから……そのせいで遅くなった。次は絶対しない」

綾音がそう言うと、瑠璃は顔を向けてじっと見てくる。信じていないのかと思って、綾音...

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