第19章 息子

澄川琉生は足を止め、わずかに眉をひそめた。

「医者には診せたのか」

「はい。診察は受けて、薬も出してもらいました。でも、あの子が飲みたがらなくて」

千成はそう答えながら、終始、澄川琉生の顔色をうかがっていた。

その表情に怒りの気配が差しかけたのを見て、慌てて言葉を継ぐ。

「ここしばらく琉生さんが家で夕食を取っていなかったでしょう。きっと拗ねてるんです。今夜、戻って一緒に食事をしてあげたらどうですか」

澄川琉生は数秒、黙って千成を見た。

「お前は毎回、あいつが機嫌を悪くするたびに理由をつけるな」

そう言い捨てると、足を踏み出し、エレベーターへ向かう。千成も慌ててあとを追い、辛抱...

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