第23章 手に入れた

「……わざと私にお茶をぶっかけたの!?」

岩坂真緒は信じられないという顔で、新作の服へ視線を落とした。淡い布地は茶色い染みでまだらに汚れ、見る影もない。

伊原綾音は肩をすくめ、涼しい声で言う。

「それ、私のせいじゃない。そっちが道を譲らなかっただけ」

「は? あんた何様よ。私があんたに道を譲れって? クズのくせに。さっき叱り足りなかったみたいね、ますます図に乗って!」

岩坂真緒が手を振り上げ、平手打ちを叩き込もうとする。だが伊原綾音の頬に届く手前で、その手首をがしっと掴まれた。

「お嬢様って、気に入らないことがあったらすぐ手が出るの? 権力を盾にしすぎじゃない」

そこへ慌てて駆...

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