第24章 彼女に気がある

伊原綾音は段ボール箱を抱えて南園に戻った。リビングで積み木遊びをしていた杏ちゃんは、綾音の腕の中の箱に気づくや、手にしていたものをぽいと置き、ぱたぱたと駆け寄ってくる。

「ママ、それ何?」

杏ちゃんは不思議そうに顔を上げた。

綾音は箱を床に下ろす。

「見てみたら?」

そう言って靴を履き替えるために視線を落とした。

杏ちゃんはさっそく箱に顔を突っ込み、中をがさごそと漁り始める。綾音が靴を履き替え、リビングに入って水を一杯注ごうとしたとき、電話が鳴った。

湯呑みを手にしたまま、彼女は携帯を置いてあるサイドテーブルへゆっくり歩み寄る。光る画面に目を落とすと、表示されていたのは澄川琉生...

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