第43章 しゃべった

澄川琉生がエレベーターに乗り込んだ途端、スマホが鳴った。ズボンのポケットから引っ張り出し、表示された番号を一瞥して通話ボタンを押す。

「……何だ」

声には露骨な苛立ち。

『琉生さん、今夜、清宴で一杯やりましょうよ』

電話の主は川東浬だった。

「無理だ」

階数表示が跳ねるのを見つめたまま、容赦なく切り捨てる。

『琉生さん、ここ数日、伊原さんの件で俺がどれだけ動いたと思ってるんです? 俺の顔は立てないとしても、伊原さんの顔まで潰す気ですか』

言い方を変えてくる。案の定、澄川琉生は二秒ほど沈黙し、口調をわずかに改めた。

「……話はついたのか」

『白崎野乃が明日、手続きに来るって...

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