第47章 眠れぬ夜

一杯あおっただけで、押し殺していた感情がじわじわと膨らんでいく。彼女は小さくつぶやいた。

「白崎野乃は、誰にも止められない。あの女がやろうと思ったことは、一度で終わらない。二度目もあるし、隙を見つけたらまた言う。私を恥かかせるためなら、あの手この手を使ってくるはず。きっと最初からそのつもりで戻ってきたんだと思う。でも、何をする気なのかまではわからない」

そこまで言って、彼女は二秒ほど黙り込んだ。

「さっきは……ありがとう」

澄川琉生はその礼には答えなかった。自分でも酒を一杯注ぎ、ひと口含んでから言う。

「白崎野乃が今回戻ってきたのは、おまえの父親の昔のつながりが目当てだろうな」

...

ログインして続きを読む