第69章 助けて!

久岡明礼が状況を飲み込む前に、背中を乱暴に引き起こされた。次の瞬間、顔面に重い拳が叩き込まれ、反対側のソファへと吹き飛ばされる。

殴り込んできたのは澄川琉生だった。琉生は一発入れるなり、さらに久岡の襟元を掴んで引きずり起こす。拳が振り下ろされた瞬間、久岡も反撃し、二人はその場で取っ組み合いになった。

久岡もそれなりに動ける。だが一分も持たず、澄川に押し切られた。容赦なく数発叩き込まれ、床に転がる。

伊原綾音は全身がつらい。それでも琉生の様子を見て、相手を殺しかねないと怖くなり、必死に声を上げた。

「澄川琉生……」

その呼びかけで、ようやく彼の動きが止まる。振り返った琉生の視線が、ソ...

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