第75章 初めてを奪ったの、お前か?

三浦昇は思った。前に訊いたときは、うまくかわされて終わった。今度こそ、腰を据えて吐かせるべきだ、と。

隣の川東浬がそれを聞きつけ、目を見開いて声を上げる。

「琉生兄、伊原お嬢様を――初めてを奪ったの、お前なのか?」

澄川琉生は二人を淡々と一瞥しただけで、険しい顔のまま答えない。代わりにグラスを取り、喉へ流し込んだ。

川東浬はその表情を見て、違うな、と感じる。もし本当にそうなら、こいつはとっくに有頂天になっている。こんな仏頂面のままのはずがない。

「ほら、飲めよ」

川東浬も杯を掲げ、三人でグラスを合わせる。カチン、と乾いた音がして、そのまま一気にあおった。

三浦昇はこれ以上口を割...

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