第78章 楽しく過ごそう

四人の女たちは盛り上がっていて、いつの間にか隣に人が立っていても気づかない。夢中で噂をこしらえ、悪意を塗り重ねていた。

「澄川社長みたいな人でも、あの子の魔の手からは逃げられないんだね」

「最近さ、そういうの専門の講習があるって聞いたよ。仕込まれた女が金持ち狙いで動くやつ。あの子も通ってたんじゃない?」

「澄川社長、引っかかったってこと?」

「……あなたたち、うちのベッドの下にでも潜ってたの? 私が澄川社長を誘惑してるところ、見たって言うの?」

伊原綾音の声が、軽くも重くもない調子で、ふわりと四人の耳に落ちた。

四人がぎょっとして一斉に振り向く。そこにいた伊原綾音を見た瞬間、目を...

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