第95章 子どもを金に換える

澄川琉生の全身を血が煮えたぎるように巡り、その衝動のまま彼は身をかがめて彼女の赤い唇を塞いだ。

喉がからからの伊原綾音は、琉生の唇に触れた瞬間、甘い雫を見つけたみたいに頭がふわりと霞み、途切れ途切れに声を漏らす。

「足りない……足りない……」

澄川琉生は一度だけ彼女を放し、指先を払うように動かした。次の瞬間、二人の肌を撫でる空気がひやりとする。

「あとで泣きながら『やめて』って言うなよ」

唇の端に口づけ、掠れた声で誘う。

伊原綾音は潤んだ水の瞳を大きく見開き、真っすぐに彼を見つめ返した。その視線だけで堪えが利かなくなり、琉生の手が落ち着きなく動く。

「力抜け……」

口づけを重...

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