第7章

ヴァレンティナ視点

私は棺に背を向け、墓地の門の近くに停めてあるアレッサンドロの車に向かって歩き始めた。もう、この場所にはうんざりだった。

だが、三歩も進まないうちに、背後から駆け寄ってくる足音が聞こえた。

「ヴァレンティナ!」母の声がひび割れていた。「待って、お願いだから待って!」

私は歩き続けた。

すると、母が転ぶ音がした。ドサッという重い音に続いて、苦痛に息をのむ声。私は足を止め、振り返った。

カルメラが芝生の上に膝をつき、その黒いドレスは泥まみれになっていた。顔には涙が止めどなく流れ、化粧はすっかり崩れ落ちている。

「お願いだから」彼女は両手を私に差し伸べた。...

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