第15章

しばらくして、九条湊も彼女の拒絶に気づいたのか、ようやく腕をほどいた。

一ノ瀬紗月はすぐに身を翻し、掛け布団をはねて横になる。彼に背を向けたまま目を閉じた。

湊はベッド脇に立ち、長いこと彼女を見つめていたが――結局、折れた。

上着を脱ぎ、同じように横になると、背後からそっと紗月の腰に腕を回す。まるで自分の領分に囲い込むみたいに。

触れられた瞬間、紗月の身体がわずかにこわばった。

押しのけたりはしない。ただ闇の中で、ベッドの縁へほんの少し身を寄せる。気づかれないように、するりと拘束をほどくように。

ほんの小さな動き。それなのに、越えられない溝みたいだった。

湊の手が宙で固まる。胸の...

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