第153章

一ノ瀬美琴は、言葉を失った。

「湊……」

「出てけ!」

九条湊が突如として怒号を叩きつけ、美琴の手を乱暴に振り払う。

一ノ瀬美琴は足元がもつれ、よろけて転びかけた。

九条湊は規制線の外を指さし、獣のように鋭い目で睨み据える。

「もう一言でも口を開いたら――そいつを道連れにしてやる。失せろ!」

九条百合子は怒りで全身を震わせ、指を突きつけたまま、言葉が出てこない。

結局、歯ぎしりしながら一ノ瀬美琴の腕を掴み、引きずるようにその場を離れた。

暴雨は一晩中、叩きつけるように降り続いた。

捜索は三日三晩、途切れなかった。

九条湊は一歩たりとも川辺を離れない。

急ごしらえのテン...

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