第18章

湊の眉が、かすかに動いた。

「君は……」

霊能者は落ち着いた声のまま、言葉を継ぐ。

「本来なら、もっと早く大きな成功をつかむ運命でした」

「しかし若い頃、一度大きな壁にぶつかっている」

「そして――その壁を越えるために、あなたはある家との縁を“使った”」

湊の表情が、ぴたりと固まった。

若い頃の挫折。

九条家が今の地位を築くまでの道筋。

それは、湊が決して口にしない過去だ。

なぜ、知っている。

霊能者は視線を横へ滑らせた。

「一ノ瀬さん」

「あなたの一族も、ここ数年、厳しい状況に置かれている」

「会社の先行き……そして、この子の誕生に最後の望みを託しているのでは?...

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