第27章

その言い訳は、彼の支配欲の強さを満たしながら、一ノ瀬美琴という存在を完璧に覆い隠していた。

自分では完璧に演じ切ったつもりでいる。むしろ少しばかり、責め立てる側の正当性すら握っているような顔だ。

一ノ瀬紗月は黙って聞いていた。表情は相変わらず薄いまま。彼の「深い愛」に心を動かされることもなければ、わざわざ嘘を暴くこともしない。

ただ、淡々と「そう」とだけ返す。視線を彼から外し、来た方角をさりげなく確かめた。そこは別のヨガ教室へ続く一角――。

胸の中は、すでに答えで満ちている。

マタニティヨガのスタジオ。彼がこんな場所に現れる理由なんて、一ノ瀬美琴以外にあり得ない。

紗月は視線を戻し...

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