第31章

「お母さん! 一ノ瀬紗月っていうクズが、私をいじめたの! わざと嵌めたんだよ!」

美琴は涙声で、ヨガスタジオで起きたことを大げさに泣きついた。自分が先に見せびらかして挑発した部分はきれいさっぱり隠し、まるで紗月に周到に仕組まれた罠にはまり、無実のまま辱めを受けた被害者みたいに振る舞う。

「なんて女なの、一ノ瀬紗月! 腹の底まで腐った毒婦め!」

話を聞いた一ノ瀬蘭は、瞬間、怒りで顔を赤くした。娘を抱きしめると、口汚く罵り始める。

「自分じゃ男の子が産めないからって、他人の幸せが気に入らないのよ! 美琴を死ぬまで追い込む気じゃない!」

蘭は怒鳴り散らしながらも、指先はやさしく娘の頬をな...

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