第47章

一ノ瀬蘭が階段を駆け下りてくるなり、娘の取り乱した様子を目にして、慌てて抱きとめた。

「美琴! 落ち着きなさい! 身体こわすわよ!」

「落ち着けるわけないでしょ!」

一ノ瀬美琴は乱暴に蘭を突き飛ばし、真っ赤な目で叫んだ。焦点の合わない瞳。笑うようで泣くような、狂気じみた顔。

「ネットの連中、みんな手のひら返したのよ! いまや全員が『一ノ瀬紗月は無実だ』って言ってる! 『悪いのはこっちだ、蛇みたいに陰険だ』って! それに九条湊……あの人、みんなの前で、あのクズをかばったのよ……! 私のことなんて、最初から眼中にないんだ!」

積み上げてきたものが、一晩で崩れ落ちた。

雲の上から叩き落と...

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