第94章

「三割がせいぜいだろ! ほら、下のこの癬……下手すりゃ食ってるぞ。刃を入れた瞬間、全部カスだ!」

口々に言い合い、誰も確信を持てない。神谷蓮はふっと顔を横に向け、隣に立つ一ノ瀬紗月を見た。深い瞳に探るような色と、揺るぎない信頼が同居している。

「一ノ瀬さん、どう見る?」

一ノ瀬紗月は答えない。

前へ出ると、バッグからプロ仕様の小型強力ライトを取り出し、原石の皮殻にぴたりと当てた。光を滑らせるように、少しずつ、丹念に。

集中した視線は鋭い。細い指先がざらついた石肌をなぞり、わずかな凹凸と質の変化を拾っていく。蟒帯の走り、松花の散り方、皮殻の砂の粒立ち。遅いほどに、慎重で、真剣だった。...

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