第107章

神崎結菜は時間を確認し、「うん、午後に帰る」と答えた。

「それなら、結菜の好きなもの用意させるわ。何時くらいに着く?」神崎清美が思わず笑う。

「三時か四時くらい」

「分かった。待ってる」

通話を切ると、神崎結菜はわずかに眉を寄せた。

白鳥美咲の死は、警察が殊更に伏せているわけではない。とはいえ、街中の誰もが知っているほどでもないはずだ。

それを――三ノ宮梢子が、もう知っている?

少し考えてから、神崎結菜は不破蓮へ視線を向けた。

「三ノ宮梢子って、あなたの事故のこと知ってる?」

不破蓮は記憶を探るように間を置く。

「事故の情報は押さえられてる。知ってるやつは多くないけど、三...

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