第110章

不破家本邸へ戻った頃には、すでに午後になっていた。

神崎結菜は不破蓮をソファに座らせると、自分は薬箱を取りに行く。

手際よく肩のガーゼをほどき、傷口を確認した。

縫合部はほぼ落ち着いていて、縁に赤みも腫れもない。回復は確かに順調だ。

「あと数日で抜糸できそう」結菜は消毒しながら言う。「この2日くらいは力入れないで。大きく動かすのも禁止」

「了解。彼女の言うことは全部聞きます」蓮が笑って返す。

結菜が睨みつけた、その瞬間。新しいガーゼを貼り終えたところで、蓮のスマホが鳴った。

画面を一瞥し、通話に出る。

「……どうした?」

向こうが何か言うと、蓮の眉がわずかに寄った。

「確...

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