第128章

しろがへへっと笑った。

「みんな、あんたのこと待ってる。もう店も押さえてあるからさ」

控えめな黒のビジネスセダンが、空港高速の流れへと溶け込んでいく。

しろはルームミラー越しに神崎結菜をちらりと見て、抑えきれない好奇心を滲ませた。

「ボス、例の彼氏……あんたがR国に来たって、知ってんの?」

「知ってる」

結菜は窓の外、異国の街並みが矢のように流れていくのを眺めたまま答える。

「搭乗前に言った」

「止めなかったの?」

しろのつやつやした目に、下世話な光が灯る。

噂では、あの不破蓮はボスに骨の髄まで惚れ込んでいるらしい。

「止めたよ。でも、私がもう飛行機に乗ってたから。止め...

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