第百三十五章

「北山研究所に閉じ込められてたとき、看守が電話してるのを聞いたって」

神崎結菜はカップを置いた。

「研究所のこっち側の外部窓口みたいな人らしい。『身分を隠す必要がある連絡』を専門に処理する担当だって」

しろが「チッ」と舌打ちする。

「で、そいつに電話して何て言った?」

「北門の人間が引き離された、だから物を持ち出せるって。それだけ、言うのが精一杯だったみたい」

しろは目を丸くした。

「頭は回るじゃん。そんな状況でそこまで考えられるのかよ」

――沢渡詩織も、釣りができるタイプだったんだ。

「元々バカじゃない。ただ、使いどころが最悪だっただけ」

神崎結菜は眉間を揉む。

「前...

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