第百三十七章

神崎結菜は呆然とした。沢渡詩織が誘拐されてから今に至るまで、北山研究所にほぼ半月もいたことになる。

そもそも結菜自身、沢渡詩織の奇病のせいで沢渡夫妻の冷笑や皮肉に耐えながら、密かに詩織を観察し、治療法を探ってきた。手応えを掴み、実の両親も見つかったところで、ちょうどいい潮時だと沢渡家を離れたのだ。

北山研究所のあの中年男が口にした言葉を思い出す。連中もきっと、詩織の体質を裏で調べていた。

もっとも、今の詩織の体質はほぼ一般人に近い。せいぜい血液型が珍しい程度だ。

だが、あれだけ奇妙なものを作り出せる連中だ。詩織を実験台にしていても不思議じゃない。

本音を言えば、これ以上、沢渡詩織に...

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