第百三十八章

沢渡詩織がただの「テスト用の器」だったのなら、彼女自身の血液型も北山研究所に目をつけられていたはずだ。

北山研究所のあの中年男が欲しがっていたのは、沢渡詩織の血じゃない。彼女の血だ。

つまり沢渡詩織という器は、すでに「テスト機能」を果たし終えている。となれば、相手がさらに欲しがる“何か”が彼女の中にある……それは一体、何だ?

七海が吐き捨てる。

「……クソ。マジで気持ち悪い」

組織には、かつて海外のラボから救い出した人間もいる。

あれは、正気の沙汰じゃない実験だった。

後からボスが解毒して、できる限り後遺症を抑えたとしても――研究所での体験と、不可逆に落ちていく身体機能は、人生...

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