第百四十三章

「それは話が違うだろ!」

しろは太腿をぱんっと叩き、目をきらきらさせた。

「ってことはさ、子どもの頃から決まってたってこと?」

不破蓮は別に隠す様子もなく、あっさり頷く。

「そう。けど結菜が小さい頃にいなくなってさ。まさかまた会えるとは思わなかった」

そう言いながら、彼の指先が無意識に神崎結菜の指の節をなぞる。視線の奥に、他人には気づきにくい柔らかさが滲んでいた。

「うわぁ……」

しろは頬を押さえて、歯が浮くみたいな顔をする。

「はいはい、ごちそうさま。先に飲み干しとくわ、その甘いやつ」

七海が珍しく口を開いた。

「不破代表、今回はボスに会いに来たってことでいいの?」

...

ログインして続きを読む