第百四十六章

茅野友里乃は回想する。

「私が辞める一年前、古い資料をまとめろって言われたんです。ファイルの中に表が一枚あって、十数人分の名前とコードが並んでました。その中に……」

彼女は不破蓮をちらりと見て、そこで言葉を切った。

不破蓮の眼差しが冷たく沈む。

「白鳩」

茅野友里乃は黙って頷いた。

沢渡诗织の指が、カップの縁をきゅっと掴む。

「……あの人たちのコードって、全部同じ“何か”を指してるんだよね? 私……見ないでいてもいい?」

怖い。

神崎结菜が低く言った。

「いい」

沢渡诗织はカップをテーブルに置いた。立ち去りはしない。ただソファの奥へ、さらに身を縮める。

窓の外はもう白...

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