第147章

しろが音声データを会議室のスピーカーに放り込み、再生した。

『……確認した。リストは神崎結菜の手元にある』

『……見せてもらってはいない。ただ、彼女がR国から持ち帰った暗号化USBの中に新規ファイルが入っているのを見た。形式は秋山町のと一致してる』

『……八児美映のほうが進捗を聞いてきた。まだ待ってると答えた』

『……了解。引き続き張る』

通話が切れたあと、中沢真啓の声が、だだっ広い廊下に二秒ほど残響して――次いで、スーツケースのキャスターがまた転がり出す音がした。

神崎結菜は椅子の背にもたれたまま聞き終え、表情ひとつ変えない。

隣の不破蓮は肘掛けに手を置き、指の腹で革をゆっく...

ログインして続きを読む