第百四十九章

収荷人の登録名は「Aurora Logistics」。登記先は、オフショアの法律事務所だった。

不破蓮は書類を一枚ずつ撮影し終えると、元の位置へ戻し、箱のラッチも最初の状態に復元した。

立ち去ろうとした、そのとき。不破蓮の目がふっと鋭くなる。

箱の脇の床に、真新しい擦り傷が数本。幅も深さも、搬送用の機材が残すものとは違う。むしろ――何かを引きずった痕のように見えた。

眉を寄せ、胸の内にだけメモしておく。ここで深追いはしない。

二人が来た道を戻って地上へ出たとき、倉庫外周のコンテナヤードから、低い扉の閉まる音がした。

不破蓮は足を止め、手を上げて齊藤泰に合図する。動くな。

耳を澄...

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