第百五十章

末広貴子はすぐさま身をひるがえし、通風ダクトへ身体をねじ込んだ。

通路は想像以上に長い。七、八分ほど這い進んだところで、突き当たりにこじ開けられた防火扉が見えた。

錠前は破壊され、金属の縁には真新しい擦過痕が走っている。

ダクトから抜け、扉を押して中へ入る。そこは地下の物置のようだった。

隅にはプラスチック椅子がひっくり返っており、背もたれには途中でちぎれたガムテープが半分ぶら下がっている。

末広貴子はしゃがみ込み、テープの断面を確かめた。刃物で切られたように、縁が妙に整っている。

懐中電灯を点け、手早く現場写真を撮り終えると、来た道を戻って通風口へ引き返した。

車に戻るなり、...

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