第153章

不破蓮の隣に、いつの間にかもう一人いた。痩せ細って青白い女が、壁にもたれ、半身を起こしたまま力なく横たわっている。

川岡花鈴。

「欲しいものは、全部下にあるわ」

八乙女映は気だるげに言った。

「でも、あの四重ロックは通れない。私が開けてあげない限りね」

操作台の縁にもたれ、肩をすくめる。

「開けなければ、私の連中が“処理”するのを見てるしかない。時間は残ってないわよ」

神崎結菜はポケットから、手のひらサイズの信号発信器を取り出して机に置いた。小さなインジケーターが、ゆっくりと点滅している。

八乙女映がちらりと目を落とす。口元の笑みが、一瞬だけ薄くなった。

「私がここに来る前...

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