第16章 夢でも見てるの?

渡辺執事は困ったように笑ってみせた。

「坊っちゃんのことは、旦那様はどうかご心配なさらず」

「心配するなだと? できるか!」不破総一郎は目を吊り上げる。「よそん家の孫を見てみろ。二十そこそこで結婚して、もう子どもまでいるってのに。あいつときたら彼女の一人もおらん!」

渡辺執事がため息をつく。

「総一郎様、前回お家出なさったのも、その件で……」

「あれはあいつに反省する時間をやったんだ!」不破総一郎は胸を張る。「それでどうだ。反省どころか、わしを縛って連れ戻しおった! どこの孫が祖父を拉致するんだ、ええ!?」

渡辺執事は苦笑いするしかない。総一郎様があまりに頑固だから、坊っちゃんも...

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